ニンゲン合格

 今はすっかり連絡の途絶えてしまった友人が、エキストラ出演してることをふと思い出して借りてみた。おお、出てる出てる。元気そうじゃないか。ってこれもう六年前の映画だけど。


 湿度の高いジメジメした映像。音が小さくてセリフが不明瞭。北野武作品でよく見られる、前フリの絵→オチの絵、っていう2コマ漫画みたいな流れを多用してたけど、それがヘタクソで笑えない。正面きって笑わせようとせずに、斜に構えたギャグですべってて、みっともない。哀川翔の役柄はギャップを狙ったんだろうけど単なるミスキャストにしか見えなかった。西島秀俊がクールで無感動な青年役なんだけど、演技になってない。たまに感情を爆発させるところだけしか、絵が成立してない。解釈によっちゃ、とぼけた味わいがあるなんていう言い方もできるんだろうけど、俺にははまらなかった。友人の出演もほんの一瞬だし、最後まで見るのがきつかった。