全身小説家

 小説家井上光晴の晩年を追ったドキュメンタリー。
 この作品に収められてる井上光晴という人を、苦労知らずのおぼっちゃまみたく好き嫌いだけでぶった斬らせてもらえば、非常に嫌いでした。小説は読んだことないんで知らないけど、性格は嫌い。もしも同じクラスにこーゆータイプの奴がいたら丁重に、しかし断固として遠ざけると思う。だからこの作品との関係をどう持てばいいか最後までよくわからなかった。

 160分ある作品だが、自伝の詐称が暴かれて、ゴシップ的意味合いで面白くなるのはラスト一時間。それまでの淡々と日常を追い続けている約100分間はかなり退屈だった。原一男監督は井上光晴を楽しめてるけど、俺はあんま面白がれなかった。