真珠の耳飾りの少女

 1665年オランダが舞台。個人的に中世ヨーロッパと聞いて即座に連想するのが、レンガ造りの街並と、魔女狩りやギロチン刑なんかで、簡単にまとめると「優雅さと残酷さ」みたいなものなんだけど、その俺の浅〜いイメージにぴったり合致している作品だった。魔女狩りやらギロチンやら極端なものは出てこないが、登場人物たちの関係に未成熟な残酷さの匂いがあってドキドキした。スカーレット・ヨハンソンの、整ってはいるものの、まだ幼くて動物的な残酷さの残る顔立ちも作品に合ってた。
 んで何より映像の美しさ。きれ〜。フェルメールの名画『真珠の耳飾りの少女』の出生の秘密を推理してドラマ化したお話なのだが、それよりも人工的な美の極限に触れようとしてる面の方が魅力的で、ストーリーはけっこうどーでもよかった。